タレントでエッセイストの小島慶子さんが「AERA」で連載する「幸複のススメ!」をお届けします。多くの原稿を抱え、夫と息子たちが住むオーストラリアと、仕事のある日本とを往復する小島さん。日々の暮らしの中から生まれる思いを綴ります。
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「節」と呼ぶのはもうやめて。自民党の麻生太郎副総裁が上川陽子外務大臣の年齢や容姿を揶揄(やゆ)するような発言をしました。批判は当然です。
ところが大手メディアの報道ではまだ「麻生節」という言葉が使われています。番記者たちが長い間「まあ、麻生さんだから」と苦笑いで済ませてきた習慣が抜けきっていないようです。麻生氏は、2018年に当時の財務事務次官による女性記者へのセクハラが報じられた時には「セクハラ罪という罪はない」と問題を矮小(わいしょう)化するような発言で批判されました。今も自民党副総裁という要職にある麻生氏が人権を軽んじるような発言を改めないなら、引退を考える時期ではないでしょうか。