閲覧するには新潟県庁に行くしかない

 新潟県は47都道府県で唯一、政治資金収支報告書をネットで公開していない。その事態を受け、新潟県選挙管理委員会は昨年11月、県選出の国会議員分に限り23年からネットで公開すると発表。去年11月時点では県議分は対象外だったが、今年秋までに公開を目指すことが明らかになった。

【厳しい声】「自民党の派閥はすべて解散すべき」1千人の声をまとめたグラフはこちら(全2枚)

 政治資金収支報告書のネット公開は、総務省が2004年から促し、22年まで43都道府県がネットで公開するようになった。総務省または都道府県のホームページで閲覧が可能だ。

 ただ、新潟県は「人員体制や関係各所との調整」を理由に、ネット公開を見送ってきた。

 新潟県の花角英世知事は昨年10月の定例会見で、ネット公開していないことについて「残念です」とコメント。そのうえで、「時代の流れですので、やる(公開する)必要がある」と述べていた。

 ある若手県議は「ベテラン県議からの圧が続いていた。今回の裏金問題をめぐって世間から政治資金収支報告書への注目が集まったことで実現した」と語る。

 政治資金収支報告書は、政治家が1年間使ったお金の使い道などを示すものであり、総務省と全国の都道府県の選挙管理委員会が毎年秋頃に公開している。

 08年には都道府県で初めて、東京都がネットでの公開を実施。19年に対応している都道府県が40を超え、23年までに新潟県以外すべての都道府県がネットで公開した。

次のページ
「県庁に行けば閲覧できるのになぜ必要か」