元カノって基本的に存在が腹立たしいものですが、その理由は意外と釈然としません。以前考えてみたことがあるのですが、おそらく我々も誰かしらの「元カノ」である、もしくはなったことがある、からではないかと思うのです。女にとって元カレがいかにどうでもいい存在で、ともすれば都合のいい存在であるかを感覚として知っているから、自分の男が元カノから見くびられているような気がする、ついでに彼を好きな自分まで見くびられているような気がするのではないでしょうか。
男は名前を付けて保存、女は上書き保存、なんてよく言いますが、男がいつまでも昔の恋人に対してそれなりの愛着を持っているのに対して、女は次に好きな人ができると元恋人のことなんてすっかり忘れて、「誰だっけ?」くらいどうでもよくなるというのはある意味真実だと思います。
私も別れた男のことを思い出すのは貸したお金返してもらってないわ……とかそれくらいの機会であって、基本的にどこかで幸福に生きていてくれるのが望ましいが、別に死んでいてもこれといって感想がない、くらいどうでもいい存在になっています。でも男友達なんかの話を聞いていると、この人たちは元カノに助けてと言われたら無駄な親切心と男気を発揮して助けるだろうな、と思うことがあります。
つまりヘテロ女にとって、自分の恋人の元カノというのは、助けてって言ったら助けちゃうくらいは自分の恋人が愛情を持っていて、しかし元カノのほうは自分の恋人のことなどなんとも思っていない、忌まわしい存在に感じられる、ということなのかもしれません。
そもそも恋人というのは大抵肉体的にも濃密な接触をしますから、あの人のかんだガムを拾わされて食べさせられているみたい、という気持ちの悪さもあるでしょうし、彼との復縁を狙っている気がして盗られそうという恐怖心がある場合もなくはないでしょうが、基本的にちょっと見下されている気がする、というあまり大した理由ではないところで引っかかっているのが王道なのだと思います。