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 個人投資家から根強い人気の「優待株」。新NISA(少額投資非課税制度)のもとでさらに関心は高くなりそうだ。約10年にわたって優待株投資を手がけることから「優待弁護士」とも呼ばれる秋法律事務所の澤井康生・弁護士に、投資法やお勧めの銘柄を聞いた。

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 株主優待は、企業が株主に対して商品や金券などをあげる制度をいう。任意の制度なので、やるかどうかや、内容は企業によって様々だ。個人投資家の人気は根強く、企業にとっては株主を増やす手段として位置づけることもできる。

 新NISAで優待株投資が有利になる面もある。新NISAでは非課税で運用できる期間の制限がなくなったためだ。優待品やサービスの中には「保有期間○年以上」といった具合に、長く持つことが条件のものもある。

 旧NISAの「一般NISA」は、非課税で運用できる期間が5年と限りがあった。非課税期間が終わると課税口座に移される。そのため例えば、5年以上保有することが条件の優待を実施する企業に投資するのにためらう人がいたかもしれない。

値動きが安定する効果も

 新NISAで個別株にも投資できる「成長投資枠」は年最大240万円までで、株価が高い銘柄は買えない場合もあるが、新NISAをきっかけに新しく投資を始める人が増え、今後は優待株の値動きが安定する効果も期待されている。「優待弁護士」の澤井さんはこう話す。

「新NISAを通じて株式を買う投資家は、長期保有する傾向があると言われます。もともと優待株は長く持つ投資家が多いとされますが、新NISAによって、さらに売られにくくなるかもしれません。そうなれば、値動きはもっと緩やかになる可能性があります」

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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