ビフォー・アフターの写真を目につく場所に貼っている人も。凹むことがあっても「あのときできたじゃない」と写真が励ましてくれる(写真:西崎彩智さん提供)
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 年末年始は久々の忘・新年会ラッシュや実家への帰省などで大掃除ができなかったという人もいるのでは?そんなあなたに、片づけのプロが、家がきれいになるポイントをお教えします。AERA 2024年2月5日号より。

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 大掃除をしないまま1月も半ばを過ぎた、とため息をつくのは千葉県在住の50歳女性だ。

 数年続いた飲み会自粛の反動で、昨年末は忘年会ラッシュ。「明日こそは」と思っているうちに、年が明けた。久しく帰省できていなかったこともあり、新年早々、子どもを連れて関西の夫の実家と四国の自分の実家をはしご。休んだ感なく仕事始めを迎えた。帰省時に使ったトランクもまだ出しっぱなしだ。

 1人暮らしの40代女性はモノを捨てられない性分。キッチンの戸棚を開けるたびサイズ違いの食品保存容器が崩れ落ちてくるのが、毎日のイライラ要因となっている。

「『時間ができたらやろう』と思っている限り、絶対に片づきません」

 耳に痛い言葉を投げかけるのは、「お片づけ習慣化」コンサルタントの西崎彩智さん。片づけの習慣化を身につけられる講座「家庭力アッププロジェクト」には全国から受講者が集まり、最近は、学校や企業からの講演依頼も増えている。

時間や金銭的に余裕も

 西崎さんによれば、片づけのメリットは「部屋がきれいになる」に留まらない。モノ探しをせずに済むようになり、時間に余裕ができる。本当に必要なものだけを買うようになり、金銭的にも余裕ができる。スッキリした空間はやる気を起こさせ、仕事や家事をサクサクこなせるようになり、心の余裕にもつながる。自分自身を振り返り、今後はどう生きていきたいかを考えられるようになる──。

 西崎さんが挙げる、片づけの習慣化が身につくポイントを具体的に紹介しよう。

【最初は目標を小さめに】

「私は掃除と片づけは別と考えています。家中を一気に大掃除するなんて大変すぎて嫌になる。片づけが苦手な人ほど、自分が今やれる範囲の片づけから始めてください。『やってみたら簡単。こんなにきれいになった』と達成感を得られます」

 どこから手をつけていいかわからなければ、食料品のストック棚から始めよう。賞味期限切れのものがザクザク。「安売りだから」「あっても困らないから」と、いかに無駄にお金を払ってきたかを痛感するはず。

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