お金儲けは、札束を増やすことだけではない」と話すのは、吉川幸枝(よしかわ・さちえ)さん。吉川さんは、「¥マネーの虎」にレギュラー出演(2001~04年)し、大きな宝石を身にまとうスタイルで「歩く百億円」と呼ばれるように。88歳の現在も現役の経営者として活躍している。吉川さんの著書『人生は80歳からがおもしろい』(アスコム刊)から、吉川さんの日常の中で「お得」を感じて豊かに暮らす方法を紹介する。

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「料理を美味しく作ることもお金儲け」

 お金で得する方法は、いろいろあります。

 例えば、料理を美味しく作ること。

 これは一つのお金儲けです。くり返し言いますけれども、儲けといっても、札束を増やすことだけではないんです。この考え方を身につければ、ありとあらゆる方法で、お金儲けができるようになります。

 安い食材で上手に調理して、高級店並みの料理を作れたら、それは「儲けた」ということです。かけたお金以上に、得をしたってことです。

 逆に、高い食材を使って料理しても、大して美味しくもなかったとしたら、儲けるどころか損をしたということになります。

 だから、料理の腕を上げることも、立派なお金儲け。頭を使って、美味しくなるよう工夫することが、儲けにつながっていくわけですね。

「夕食の親子丼、美味しくできた! あの定食屋だったら八百円くらいするかな。儲け、儲け!」

 家計のことを考えて、少しでも安い食材を買うのも、もちろん大事です。

 でも、作った料理が貧弱だったら、節約はできても儲けたとまでは言えません。安いもので、貧弱な料理を作るなんて、普通だからです。誰でもできるからです。

 みながやっていないことに、ぜひチャレンジしてください。

 料理で儲けを目指すのであれば、「贅沢はしない、でもゴージャスにしたい」という気持ちで、少しでも美味しくなるよう、工夫を重ねることが大切ね。

 こういうことって、外食でも言えます。

 たまに飲食店で、あまり美味しくない料理に出会ってしまうことがありますけど、そういう時は本当に悔しい気分になります。

 それなりにいい食材を使っているだろうに、なんでこんなもったいないことをするんだろうと思います。

 あなたもそんな経験、ありませんか。

 求めてもいないものに、しぶしぶお金を払うほどつらいことはありません。

「あんた、社長なのにケチなこと言うな!」って言われそうですけど、お金のありがたみが身に染みているだけに、ランチ一つにも儲けを求めたくなっちゃうのね。

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高い服を安っぽく着ている人は儲け下手