「軽自動車だと多くの物資が詰めず、渋滞を起こしてしまうので、ハイエースやトラックで行くようにしています。個人ではなく団体として行き、県で案内している確実に物資を渡せる場所に持って行きます。現状では炊き出しよりも物資が優先の感覚です」(寺田さん)
炊き出しに行く場合は、現地からの確かな情報が入ってから行くことが大事だという。「どこに何食持ってきてほしい」という確かな情報がないと、混乱を招いてしまう。現地とのコミュニケーションが形成できていないなかでは難しいのだ。
「情報をしっかり整理することが大切ですね。珠洲などの断水されているところではラーメンが作れないので、こういう場所は物資が優先でしょう。(もう少し復旧が進めば)七尾などの手前のエリアから炊き出しを考えています」(河方さん)
自治体によっても炊き出しを受け入れるかどうかは対応が異なる。何を優先するのかは、その地域によって様々だ。それゆえ、各エリアのコミュニティの主となる人と繋がりがないと、ボランティアもスムーズに進まないのだ。
「まずは、現場の人たちと実際に話してからスタートしたいです。それが、近くにいる金沢のお店だからこそできることだと思います。あたたかいラーメンを出すことで、それがやさしさにつながる日が来ると思っているので、何とかできることをやりたいです」(河方さん)
来週、再来週ぐらいを目指して、二人は炊き出しを本格化させる見込みだ。河方さんや寺田さんはともに石川県が地元なので、一時的なものではなく、長期でできる炊き出しを考えている。
「はじめは麺屋さん、八百屋さんなども協力してくれると思いますが、ずっとそれが続くかは難しいと思います。300~400食を続けていくのはボランティアとしても厳しくなってくるのは当然です。私は東日本大震災のときにも炊き出しに行きましたが、そのときのように全国のラーメン屋さんに呼びかけをする日も来るだろうと思います」(河方さん)