1月1日、元日の日本をいきなり襲った能登半島地震。石川県能登地方では最大震度7を記録し、その被害は甚大となっている。全国から支援物資が集まり、一日でも早い復旧に向けて動き出している。
石川県のラーメン店の状況はどうなっているのか。金沢市でラーメン店を展開する「金澤濃厚中華そば 神仙」店主の河方卓さん、「麺屋 大河」店主の寺田雄志さんに話を聞いた。(ラーメンライター・井手隊長)
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1月1日は二人とも金沢にいて、震度5強の地震を経験した。神仙・河方さんは言う。
「能登では前にも地震がありましたが、そのときも金沢はそんなに揺れませんでした。ですが、今回の揺れはすごかったです。金沢市としては初めての大地震と言ってもいいぐらいの大きな揺れでした」
店の全壊、半壊は免れたが、どんぶりや食器類が割れるなどの物質的な被害が出た。「神仙」では、震度5強の揺れを観測した富山県小矢部市にある「小矢部アウトレット店」が一番ひどく、排水が割れて天井から水が出てくるなどの被害があった。13日からやっと営業を再開している。
店は正月休み中だったこともあり、金沢市ではどこも休み中に復旧をし、営業を開始したようだ。
「能登とはだいぶ被害が違いますが、金沢でも3日、4日余震が続いてメンタルがやられてきました。これが能登の人だったらどうなんだろうと思って心配していました」(河方さん)
年末年始に金沢を訪れていた観光客は新幹線、飛行機が動き次第帰ってしまい、その後はほとんど観光客の姿は、見られない。金沢市内のラーメン店はほぼ通常営業しているが、観光客が全く来ないので痛手を被っている。居酒屋もキャンセル続出だというが、金沢市には補助金も当然ない。
一方で、このところは能登に復旧支援に行く人が金沢を拠点にし始め、少しずつ人が増えてきた。能登方面への交通は緊急車両が優先だったが、団体で支援する人たちの車も目立ち始めている。「大河」の寺田さんもその一人で、所属団体を通して物資を届けに行ってきた。