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ビタミンAの一種である「レチノール」は、アンチエイジングに関して多くの研究が報告されているそうです。化粧品や医薬部外品にすでに使われている成分でもあります。近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司医師が解説します。

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 皮膚の老化は、避けられない自然の摂理です。しかし、科学の進歩により、このプロセスを遅らせ、老化した肌を若返らせる方法が模索されています。年齢とともに皮膚は薄くなり、たるんできます。残念ながら、肌が薄くなる現象に対して、確実な治療法はまだ確立されていません。しかし、効果が期待できる成分もあります。ビタミンAの一種である「レチノール」は、アンチエイジングに関して多くの研究が報告されています。

近畿大学医学部皮膚科学教室主任教授の大塚篤司医師

 レチノールは肌のコラーゲン合成を促進し、老化を加速させる酵素の活動を抑え、酸化ストレスを減少させるとともに、遺伝子発現を調節します。これにより、内因性および外因性の老化の症状、たとえばしわや色素沈着などが改善されるとされています。レチノールの効果は、レチノイン酸受容体とレチノイドX受容体という細胞内の特定の受容体の活性化によって引き起こされると考えられています。

 さらに、レチノールはコラーゲンなど皮膚の細胞外マトリックスと呼ばれる成分の生まれ変わり(ターンオーバー)を助け、炎症に関与する成長因子やサイトカインの活性を調節することも示唆されています。ビタミンAの代謝は皮膚の細胞内で進行し、レチノールからレチナールアルデヒドへ、そして最終的には活性形であるレチノイン酸へと変換されます。この変換過程は、いくつかの酵素によって起こり、結果として皮膚のコラーゲンの恒常性を改善し、老化を和らげるとされています。

 レチノールは化粧品や医薬部外品にすでに使われている成分です。しわやシミが気になる人は、レチノール配合の化粧品を試してみるのも良いでしょう。

 ただし、レチノール配合の化粧品を使う際は紫外線に注意しましょう。肌のダメージが起きやすいと言われています。夕方以降の使用にするか、朝使うのであれば日焼け止めなどでしっかり対策を立てるのが重要です。

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