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 昨秋の本欄、第1102回を見てびっくり。うちの柴犬の小太郎(写真、雄、3歳)と名前も由来もそっくりな子が広島にいる!
 うちの小太郎は、大好きな池波正太郎の『剣客商売』の主人公の孫の名前をいただきました。広島の小太郎君も全く同じとは驚きです。
 性格もそっくりで笑ってしまいます。うちの小太郎も外面がよくて犬友やお客様には決して吠えず、誰にでも懐きます。病院の診察台の上でも先生に懐いて笑っています。
 しかし、家の中ではわがまま放題で、食事も気に入らなければ頑として拒否。時に吠えたり甘噛みしたりで、彼がご主人様。夫はじいやで、私はばあやです。
 彼がうちに来たのは、生後2カ月の時でした。植木を買いに行ったホームセンターで、あまりの可愛さに衝動買いしました。
 それからは怒涛の日々です。食事と排泄の世話に明け暮れ、ケージから出すと廊下を走り回る小太郎を追いかけ続けました。
 生後5カ月で庭に出すと、道行く近所の方にフェンス越しに愛敬を振りまき、すっかりアイドルに。散歩に行けるようになると、他の犬種の子ともけっこう仲良しになり、飼い主さんとも親しくなりました。
 私たちも小学生や若い世代の人たちとも犬友になれ、これは小太郎のお陰です。
 また、以前夫婦でウォーキングをしていたときには続かなかったのに、今は朝晩の散歩で必ず1万歩以上歩けるのも小太郎のお陰。まさに感謝!です。
 しかし、それを知ってか知らずか、相変わらず彼は家の中でソファをかじり、スリッパをかじり、自分のエサだけでは足りずに私の茶わんを狙う困った奴です。
 でも小太郎は家族の一員。彼がいて当たり前。体重12キロの小太郎を見ながらしみじみそう思うのです。

(井下明子さん 香川県/62歳/主婦)

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