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 自覚症状がほとんどなく、健康診断や人間ドックのエコー検査などで見つかることが多い腎がん。男性のほうが女性より2倍以上かかりやすく、特に男性は尿検査で尿潜血が指摘されたり、肉眼で見える血尿が出たりしたら要注意。早めの受診が肝心です。

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 本記事は、2024年2月下旬に発売予定の『手術数でわかる いい病院2024』で取材した医師の協力のもと作成し、先行してお届けします。

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 腎臓は空豆のような形をした臓器で、腰の辺りの左右に一つずつあります。尿を作って血液の中の老廃物や塩分など不要なものを体外に排出したり、体液や血圧の調節したりするなど、重要な役割を担っています。 

 腎がんは腎臓の細胞ががん化したもので、腎細胞がんとも言います。罹患率は男性のほうが女性の2倍以上多く、人口10万人あたりの患者数は24人(男性では34人/女性では15人)程度とされています。近年増加傾向にあり、最も多い年代は60~70代ですが、若い人でもかかることがあります。

自覚症状なし、多くは健診や人間ドックで見つかる

 早期の腎がんでは自覚症状がなく、健診や人間ドックなどで見つかることがほとんどです。大阪国際がんセンター泌尿器科副部長の中井康友医師は、次のように話しています。

「がんがある程度進行している場合には、血尿や腰の辺りの痛み、しこりなどの自覚症状が出ることがあります。ただ、そこまで進行して見つかることは少なく、大多数は健診や人間ドックの腹部エコーなど画像検査で見つかります」

尿検査の潜血反応や血尿が出たら病院の受診を

 腎がんは、糖尿病などで人工透析を受けていたり家族に腎がんになった人がいたりする場合になりやすい傾向が見られます。ただ直接の原因はよくわかっておらず、誰でもなる可能性があるといえます。健診や人間ドックを定期的に受けること、尿検査で尿潜血を指摘されたり血尿が出たりしたら、すぐに病院を受診することが何よりの予防策です。

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血尿を甘く見てはいけないと医師は警鐘を鳴らす