この地震が直ちにサロベツ断層帯の「本丸」に影響する心配は小さいものの、日本に2千以上あるとされる活断層のどこかが近い将来、M7クラスの大地震を起こす可能性は否定できないという。遠田教授は続ける。

「活断層は大きな地震を起こす周期が千年程度のものもあれば、3万年ほどと考えられるものもありますが、大雑把に平均すると1万年に1回程度。つまり、5年に1度ほどで2千ある活断層のどこかが大地震を起こすということ。歴史的な地震記録を見ても、活断層による大地震は概ねその頻度で起きています」

 活断層による地震は内陸の浅い場所を震源とするケースが多く、M7クラスの大型地震が起きるとしばしば甚大(じんだい)な被害をもたらす。1995年の阪神・淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震(M7.3)、00年の鳥取県西部地震(M7.3)、04年の新潟県中越地震(M6.8)、08年の岩手・宮城内陸地震(M7.2)、16年の本地震(M7.3)などはいずれも、内陸の活断層による地震だ。そして、熊本地震以降、活断層型の顕著な大型地震は起こっていない。(編集部・川口穣)

AERA 2022年7月4日号より抜粋

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