新春にふさわしいテレビ番組といえば皇室番組はそのひとつだろう。そんな皇室番組に2001年から携わる放送作家のつげのり子さんに、皇室番組の舞台裏を聞いた。
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「担当した番組は1月1日の早朝5時放送にも関わらず、『正座して見ています』とおっしゃる方もいます。気持ち的にはそんな感じですよね。天皇陛下は1月1日の朝5時半から皇居・神嘉殿の前庭で四方拝という行事に臨まれます。この行事が皇室の一年の始まりです。
ある意味、皇室の活動の始まりと同じころから始まる番組なので、皇室の年始を感じながら番組を視聴できると思います」
前日の大晦日までに家を掃除し、清らかな気持ちで元旦の早朝から正座して視聴する。そんな気持ちも頷いてしまう、皇室番組、「新春皇室の窓スペシャル」(テレビ東京・1日午前5時)が2024年も放送される。
天皇皇后両陛下の長女、愛子さまが誕生された2001年から皇室番組の放送作家を担当するつげのり子さんは、「皇室の窓スペシャル」には2017年から携わっている。2023年に放送されたエピソードの中でもつげさんが印象的だったのは、天皇陛下と雅子さまが令和になって初めて被災地・岩手県を訪問されたときのことだそう。
「6月3日、陸前高田市で行われる『全国植樹祭』に出席するために天皇陛下と雅子さまは岩手県に入られました。オンラインで被災地との交流はありましたが、令和になってから初めて岩手県を訪問されました。
陛下に直接会ってお話しをした方を、ディレクターが現地に行って探しましたが、簡単に見つかるかと思ったら、なかなか見つからない。AさんからBさん、そしてCさん……というふうに人づてにたどっていき、最終的にたどりついたのが、天皇陛下と同じ学習院大学出身の20代の女性でした」
学習院大学出身の女性から聞いた、天皇陛下との会話からは、そのお人柄が伝わってきたという。つげさんは続けてこう話す。