こうした点から、藤本さんが注目するのが上の表に挙げた銘柄だ。
このうち、例えば、JALCOホールディングスは、主にパチンコ業界向けに貸金業や不動産賃貸事業、M&A(買収・合併)仲介事業などを手がける。パチンコホール大手のガイアが10月に民事再生法の適用を申請するなど業界再編観測が高まっていることに加え、24年7月の新紙幣発行を控えて関連各社の設備投資需要の増加が見込まれる。同社の事業もこれらを追い風に一段の成長が期待できるという。
全農(全国農業協同組合連合会)系の大手農薬メーカー、クミアイ化学工業は、成長が見込める海外向けの比重が高い。「しっかりした販売網を持つ現地企業に対して除草剤などの原材料を提供する事業モデルが特徴で、収益性が高い」(藤本さん)。
また、家賃保証サービスなどを展開するイントラストは、介護費用の保証や、離婚後に養育費が支払われない場合の立て替えや催促の代行といったユニークな事業を手がけている。どちらの事業も成長の余地が大きいとみられることが注目の理由だ。
一方、マネックス証券のチーフ・ストラテジスト、広木隆さんが挙げたのは上の銘柄だ。
東京エレクトロンや村田製作所、信越化学といった、24年に市場回復が見込める半導体関連や電子部品メーカーをはじめ、商品や製品などの競争力が高くスムーズな値上げが可能な日清食品、回復基調が続く外国人訪日客(インバウンド)需要の恩恵を受けるJR東日本、ANAホールディングスなどが狙い目という。
「景況感に左右されにくいカジュアル衣料のしまむらや、連続増配企業として知られる花王などもお勧めです」(広木さん)