「ヤンキース一筋だったデレク・ジーター、バーニー・ウィリアムス、ホルへ・ポサダ、マリアノ・リベラの4人は別格な扱い。しかし彼らに引けを取らない人気と知名度がある。チームへの献身性と世界一に導いた功績が大きい」(米国スポーツ専門誌編集者)
常にチームを優先したプレースタイルは日本時代から変わらず首脳陣にとって頼りになる存在だった。そして2009年のワールドシリーズでは“主役”にもなった。6試合で打率.615、3本塁打、8打点の大活躍でヤンキースの世界一とともにシリーズMVPを獲得。今だにファンに語り継がれる伝説的な勝負強さを見せた。
「ヤンキース在籍7年で4度100打点以上を挙げた勝負強さも特筆すべき。他のスター選手に比べて地味な印象もあったが、確実に結果を残してチームの勝利に貢献した。目の肥えたニューヨークのファン、関係者は誰もが功績をわかっている」(スポーツ新聞MLB担当記者)
2013年7月28日(日本時間29日)に「1日契約」を結び引退セレモニーが開催されたのは、ヤンキースからの最上級の敬意の表れ。「これ以上に幸せなことはないと思う」(松井)と語った最高の瞬間だった。
「7年間の在籍に終わったがチームに欠かせない存在だった。また現役引退後もヤンキースとは良好な関係で可能な限り各種イベントに参加してくれる。ヒデキとヤンキース、そしてニューヨークは生涯、相思相愛で家族と言える」(米国スポーツ専門誌編集者)
現在はヤンキースGM付特別アドバイザーの肩書を持つ松井氏については、将来的に指導者に就任することを熱望する声もあるというが……。
「現在の肩書は松井への勲章的なものであり、日本市場を意識したビジネス的側面もある。将来の指導者就任に関しては可能性はゼロではないが、コミュニケーション面を含め現実的には難しい。松井氏も現場復帰へ関してのこだわりは強くないのではないか」(在米スポーツライター)
「ヤンキースで指導者になって欲しい」という声があるのは事実。しかし松井氏の振る舞いからは「グラウンド内ではすべてをやり尽くした」と感じているようにも見える。