2024年は注目材料が目白押しだ。 写真はイメージ (c)gettyimages

 2024年は日米の金融政策が転換点を迎え、米大統領選や自民党総裁選、パリ五輪といった注目材料が目白押しだ。同年の干支、辰年は株式相場の格言で「辰巳天井」と呼ばれ、高値に挑戦する一年とも、売り場が訪れるタイミングとも言われる。24年の日経平均株価は年末までに4万円を目指すと予想する武者リサーチ代表の武者陵司さんに日本株の展望を聞いた。

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――2024年の株式市場の見通しは。

 日経平均株価は春先にも3万6千円~3万7千円をつけ、年末には4万円を目指すと予想しています。年間を通じて尻上がりに上昇していくでしょう。

――そう考える理由は。

 一番は日本経済がよくなるということです。外国為替市場で円安・ドル高が進んだ結果、業績は大きく回復し、国内企業全体では最高益が過去最高を更新すると見込まれています。

 世界の中でも日本経済のファンダメンタルズ(基礎的条件)の好調さは際立っています。国内企業の業績はまだ回復の途上で、さらに伸びる余地がある。

――けん引役は。

 まず半導体を中心としたハイテク関連や自動車関連、さらにその周辺の製造業がひとつ。日本銀行の緩和策の修正・正常化が見込まれることから、利ザヤの改善が期待される銀行株も業績が改善する可能性は高い。

 資産価格の上昇の恩恵を受ける不動産株や、訪日外国人客(インバウンド)の増加が引き続き追い風の外食、観光関連も挙げられます。

 特定の業種・業界というよりは、全体的に好調な状況が続くとみています。

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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