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フルサイズEマウント用マクロレンズ

 ソニーα7シリーズ用のFEレンズとしては初の中望遠マクロレンズ。これまで、α7シリーズでこのクラスのレンズ使おうとすると、マウントアダプターを介してAマウント用の100㎜ F2.8 Macroを使うしかなかった。今までソニーにはなかった90mmで、ボケ味を意識した球面収差のチューニングや円形絞りと聞けば、食指が動くのはネイチャーマクロ派だけではないだろう。
 フォーカスリングを前後にスライドすることによるAF/MF切り替えを初めて採用。便利ではあるが、AFで大ざっぱにピントを合わせたあとにMFに切り替えると、ピント位置が大きくズレるので、AFののちMFで微調整という用途には向かない。AF後にフォーカスリングでピント調節をするなら、AFモードをDMFにすればよいのだが、例えばAF-AやAF-CからMFに切り替えた際に、このフォーカスアウトは非常に残念。切り替え自体は瞬時だが、改めてMFでピントを合わせなおさなければならないのだ。
 逆にいえば、それ以外は優秀なレンズで、すでにAマウントの100mmマクロのユーザーであっても十分使い分けできるレンズだ。

最短撮影距離時にはレンズ先端から約12cm、フード装着でも数センチのワーキングディスタンスがあり使いやすい。シャープで抜けのよい描写力があり、α7Rのような3640万画素機のパートナーとしても申し分ないレンズだ●α7Ⅱ・AE(絞りf5.6・100分の1秒・+1補正)・ISO400・AWB・JPEG
最短撮影距離時にはレンズ先端から約12cm、フード装着でも数センチのワーキングディスタンスがあり使いやすい。シャープで抜けのよい描写力があり、α7Rのような3640万画素機のパートナーとしても申し分ないレンズだ●α7Ⅱ・AE(絞りf5.6・100分の1秒・+1補正)・ISO400・AWB・JPEG



デザイン
防塵・防滴仕様の金属製鏡筒で重厚な質感。距離目盛りには撮影倍率も表示されている

使用感・操作感
MF時のフォーカスリング回転のトルクもちょうどよく、操作しやすい

描写性
絞り開放からコントラストが高くシャープな描写。ボケ味は軟らかくかつ美しい

◆ 宇佐見 健


* * *
●焦点距離・F値:90mm・F2.8●レンズ構成:11群15枚(非球面レンズ1枚、EDガラス1枚、スーパーEDガラス1枚)●最短撮影距離:0.28m●最大撮影倍率:1倍●画角:27°●フィルター径:Φ62mm●大きさ・重さ:Φ79×130.5mm・約602g●価格:税別14万8000円