新型コロナウイルス感染症の5類移行後、初めて迎える新年となる2024年。初詣を計画している人も多いのではないか。神様や仏様の「家」である神社やお寺に「お邪魔させていただく」のだから、しっかりとマナーを守って参拝するのが鉄則。神仏もきっと、参拝に来た人たちを見ているはずだ。
社寺巡りをより楽しむためのガイド『東京たのしい社寺カタログ』が、いまさら聞けない初詣のイロハを解説している。本から引用する形で紹介したい。
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まず、神社とお寺の見分け方から。
神社の入り口には鳥居があり、お寺の入り口には山門がある。鳥居には、実世界と神聖な区域である神社の境内とを区切る境界線の役割があるが、山門は文字通り、寺の入り口で、玄関にあたる。鳥居に屋根はないが、山門には瓦屋根が葺かれていることが多い。
線香の香りがするかどうかもポイントだ。線香は仏教で用いるもので、神社では使わない。つまり、線香の香りがすれば、そこはお寺だということだ。香りは読経と同じように供養になるとされ、立ち昇る煙が天上と現世をつなぐと考えられている。
名前の付け方にも違いがある。神社のなかで最も位が高いのは「大社」。皇族と縁の深い場合には「神宮」、皇族または歴史上の人物を奉っている神社には「宮」がついている。寺は正式名称の基本が「〇〇山〇〇院〇〇寺」。「院」と「寺」に位の差はなく、短縮した呼び方を「院」にしているところもあれば、「寺」にしているところもある。
神社もお寺も、参拝にはさまざまなルールがあるが、「尊敬する先輩の家に行った」と思って向き合えば、恐らく大きな間違いはせずに済む。
境内に入る前には、一礼を。その後に身を清めるのは、家で手を洗うのと同じ感覚だ。神社とお寺、それぞれの参拝作法の詳細は、2023年10月29日に公開した記事【京都旅行に出かける前に!今さら聞けない神社とお寺のお参り作法】を参照してほしい。