今年もあっという間に年末がやってきた。となると、気になるのがおせち料理だ。いまは、「作るのはちょっと」な人も、栗きんとんや数の子、昆布巻きなど、好きなメニューを少量ずつ、スーパーなどで購入できる便利な時代。盛り付けさえ何とかすれば、手軽にお正月気分が味わえる。
その盛り付けだが、おせちを重箱に詰めたりお皿に盛り付けたりする場合には、一定のルールがあることをご存じだろうか。このルールを守るだけで、アレンジメニューを加えても、ちゃんと「おせち」に見えるから不思議。料理研究家で栄養士でもある牛尾理恵さんの著書『喜ばれるおせち料理とごちそうレシピ』から、買う派にも作る派にも役に立つ、おせち料理の基本の詰め方・盛り付け方を学びたい。
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お節を詰めたり盛り付けたりするときにポイントになるのは「品数」。おせち料理は奇数の品数を作るのが基本で定番は9品だが、その時の品数によって、重箱やお皿の大きさを変えたり、詰め方・盛り付け方をアレンジしたりしていく。
品数を決めたら、次はどんな器に盛り付けるかを考える。重箱は、シンプルなものを選べばお皿感覚で盛り付けることができる。小さな重箱に1人分ずつ盛り付けることも可能だ。お皿の場合も、品数によって、丸い大皿や、スクエアやオーバルの中皿を使い分けると、モダンで素敵なお正月のテーブルになる。
重箱に9品・7品・4品を詰める
では実際に、盛り付けていく。まずは、重箱を使った基本の詰め方から。一の重には、「めでたいことを重ねる」という願いを込めて、祝い肴を詰める。ポイントは、写真のように重箱内を9つの正方形で区切って詰めていくこと。
9品を詰めた上の写真の場合、黒豆を白い小鉢に盛り、重箱の中心に置くところからスタート。次に、伊達巻きかまぼこ、錦卵など、形の崩れないものを3つ、場所を決めて詰める。そして、右上の隅に栗きんとんを配置すれば、伊達巻き、錦卵とあわせて黄色の三角形ができる。色の配置を意識して詰めるのも、コツの一つだ。最後に、田作り、数の子、昆布巻き、たたきごぼうを詰めれば、一の重の出来上がりだ。