そして、一の重のバリエーションが下の写真。品数は7で、一番上に紅白のかまぼこを直線状に詰めた華やかなアレンジだ。ここでも、伊達巻きと栗きんとんと数の子で、黄色の三角形を作り、残りの場所に、黒豆、田作り、昆布巻きを詰めた。緑色の「はらん」で仕切りを作ったことで、全体が引き締まった印象になっている。

一の重のバリエーションがこちら。かまぼこは紅白を交互に並べると華やか。かまぼこを並べてから仕切りを作り、黄色の三角形を意識して詰めていく

 1人暮らしや2人暮らしの4品おせちなら、下の写真のように重箱を4つに仕切るイメージで、すき間をあけてゆったりと盛り付ける。はらんを斜めに敷いておくことで、すっきり素敵な印象を演出できる。似た色のおせちは隣り合わせにならないよう、対角線上に盛るのがコツだ。

20センチ四方の小さなお重に4品を詰めた例。右上は紅白なます。右下は松風焼き。朱色のお重は小さくても、それだけでテーブルが華やぐのがいい

 肉や魚の焼き物、なますなどの酢の物を詰める二の重の場合も、基本的な考え方は一の重と同じ。下の写真のように9品を詰める場合、ゆず釜に入れたなますを中央に置いて、あとは似たような色のものが隣り合わせにならないように詰めていく。海老は滑りやすいので一番最後に、頭を左に揃えて詰めるといい。

二の重の基本形。いずれも左から、上段はさわらの西京焼き、酢れんこん、鮭の幽庵焼き、中段は海老のうま煮、紅白なます、松風焼き、下段はぶりの照り焼き、菊花かぶ、牛肉八幡巻き

 煮しめを詰める三の重のポイントは、端から場所を決めていくことだ。下の写真の例なら、右下に里いも、右上にこんにゃくを詰め、続いて左下にれんこん、左上にごぼうを詰める。里いもを支えに、滑りやすくても分量が多いもの、大きめに切ってるものを詰めていく。左中の空いたスペースにたけのこを、中央上の空きにはしいたけを詰め、にんじんと絹さやをまんべんなく散らしたら、出来上がりだ。

三の重の基本形。一の重、二の重ではまず真ん中を決めたが、三の重は端から。滑りにくいもの、滑りやすいけれど大きめに切ってあるものを先に置いて

大皿に9品・6品・4品を盛り付ける

 重箱の代わりに大皿を使っても、ポイントを押さえれば「おせちらしさ」を高めることができる。和風ではなく洋風の大皿を使うことで、逆にエレガントな印象に。大切なのは、汁気のあるおせちを形や色のかわいい小鉢に盛り付け、三角形になるように大皿上に配置すること。全体のアクセントになるし、バランスもとりやすい。南天や菊の花どを添えると、華やかさはさらに増す。

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焼き物の下には「はらん」