記者の裏金問題の追及に「頭悪いね」と言い放った自民党の谷川弥一氏(右)

 選挙の他にも政治資金収支報告書には記載されないような出費がある。

 例えば、公務員である公設秘書とは違い、ボーナスがない私設秘書に対しては、臨時の奨励金としてお金を支払うことがあるという。

 党の幹部が夜の会合でハイヤーを待たせる場合、運転手に寸志を持たせることも。

「委員会の理事や党の要職に就くと車をあてがわれます。定時になれば車を返す必要がありますが、料亭で夜の会合などがあれば、運転士には待っててもらう必要がある。そのときに運転手の了承が必要になるのですが、ここでお金が必要になってきます。羽振りがよくないと運転手の間で評判が悪くなりますので、見えを大切にする議員はよりお金を使うことになります」(尾藤さん)

 議員たちからすれば「必要経費」ということなのだろうが、緩い実態がありそうだ。このようなお金の使い方が放置されていていいのだろうか。

 尾藤さんの見解はこうだ。

「旧態依然とした金権政治が残っているのが現状でしょう。政治とカネの問題は以前から改革が求められていますが、まったく議論が進んでいません。今回のような問題を防ぐためには、履歴が残るようにお金の収支はすべて電子化したり、違反者に対する罰則を強化したりするなど対策が必要だと思います」

(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)

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吉崎洋夫

吉崎洋夫

1984年生まれ、東京都出身。早稲田大学院社会科学研究科修士課程修了。シンクタンク系のNPO法人を経て『週刊朝日』編集部に。2021年から『AERA dot.』記者として、政治・政策を中心に経済分野、事件・事故、自然災害など幅広いジャンルを取材している。

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