連日報じられている自民党の派閥による裏金づくり。最も大規模に行われていたとみられているのは安倍派だが、キックバック方式は他の派閥でもあったようだ。5年間で計約10億円が裏金化された疑惑も報じられている。政党交付金があり、給与である歳費も多額の政治家が、なぜ裏金をつくる必要があるのか。元国会議員秘書で政治評論家の尾藤克之氏は「お金を配らないと票が集まらないという実態がある」と指摘する。お金を配る、とは?
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「自分のためにだれかに動いてもらうにはお金がかかる」
尾藤さんがそう話し、特にお金がかかると言われているのが選挙だ。
応援で駆けつけた秘書や後援会員、選挙運動員(ウグイス嬢)、地元議員らにお金を配る。選挙運動はボランティアが原則だが、議員が当選するために金銭を配っている実態があるという。
最近では2019年の参院選で、河井克行元法務相が妻の案里氏を当選させる目的で、地方議員ら100人に計約2870万円もの現金を配ったとして公職選挙法違反の罪に問われて有罪となり、実刑判決が確定した。
尾藤さんはこう指摘する。
「国会議員は、地元の市議や区議、後援会らに馬車馬のように働いてもらうことになります。アメとムチのようなもので、必死で働いてもらう代わりに、対価を渡すということです。派閥の長や二世議員の出馬の際には号令がかかることがあります。超党派で秘書が派遣されたりします。資金に余裕のある議員は当選もしやすくなります」