ドラァグクイーンとしてデビューし、テレビなどで活躍中のミッツ・マングローブさんの連載「今週のお務め」。27回目のテーマは「大谷翔平がいるロサンゼルス」について。
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大谷翔平選手が、ロサンゼルス・エンゼルスからロサンゼルス・ドジャースへ移籍することが明らかになった今週。一報を聞いて、まず脳裏をよぎったのは、「あら。同じロサンゼルス市内なら引っ越ししなくていいじゃない!」という、おおよそ野球とは関係のない感想でした。
そもそも古巣エンゼルスは、「ロサンゼルス」を冠しているにもかかわらず、本拠地がロサンゼルス市内にはないことも初めて知りました。「エンゼル・スタジアム」があるアナハイム市は、ロサンゼルス市から45キロも離れているそうです。東京で置き換えれば、新宿から高尾(八王子市高尾町。高尾山で有名)ぐらいでしょうか。通えない距離ではないと思われますが、現時点で大谷選手がどの辺りに住んでいるのか知らないので、「引っ越しの有無」に関してはまったく分かりません。もしかしたら、すでに新宿(ロサンゼルス)にも高尾(アナハイム)にも出やすい「カリフォルニアの国分寺」的なエリアに住居を構えている可能性もあります。
それにしても、大谷選手がメジャー移籍して6年、私はいったい何を観てきたのでしょうか? 家は特大パネルに写真集、記念コインなどで溢れ返り、スマホの中には1000枚以上の選りすぐり画像や動画のスクショがメモリーを占拠しているというのに……。
何が自分でも驚いたって、彼の背番号が「17」だと初めて認識したことです。確か日ハム時代は「11」だったと記憶していますが、アメリカに渡って以降は、考えてみたら背番号など気にしたことがありませんでした。私は常に大谷翔平の顔と手、そしてユニホームの向こう側を見ています。よって燦然と輝く背番号「17」には、何の意識も注がずに6年もの月日が経っていたというわけです。