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小型でも一眼レフに迫るAF

 前号で紹介したとおり、X-T10は先行する兄貴分のX-T1を小型化しただけのものではなく、独自の設計思想を持った新しいカメラだ。特に、機能面ではAF性能がこれまでのXシリーズと比較し大幅に向上している。
 X-T1同様に撮像素子に像面位相差センサーを内蔵しているが、X-T10ではAFのアルゴリズムの向上によって動体の捕捉やフォーカスの精度も高くなっている。
 特にAF測距点がシングルポイントだけでなく、新しく「ゾーン」「ワイド/トラッキング」の選択が可能になったことが大きな利点である。
 どこまで一眼レフのAFに近づいたのか、今回モトクロスを撮影したが、こうした撮影をそれほど得意としない筆者でも、ほぼ8割程度の合焦率。モータースポーツ撮影に慣れている人なら、成功率はさらに向上するはず。
 なお6月下旬には、X-T1でも同等の機能になるファームウェアアップデートが予定されている。こちらも期待したい。

AF-Cとゾーンの組み合わせで、測距点を3×3の範囲に設定し画面上部に位置させ、ジャンプしてくるバイクをとらえた。ヘルメット上部に合焦している。ふいに現れる被写体の捕捉成功率も高い。中央の位相差エリアに設定すればさらにAF速度は速くなる●XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR・140mm時・AE(絞りf3.6・1500分の1秒)・ISO200・AWB・JPEG
AF-Cとゾーンの組み合わせで、測距点を3×3の範囲に設定し画面上部に位置させ、ジャンプしてくるバイクをとらえた。ヘルメット上部に合焦している。ふいに現れる被写体の捕捉成功率も高い。中央の位相差エリアに設定すればさらにAF速度は速くなる●XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR・140mm時・AE(絞りf3.6・1500分の1秒)・ISO200・AWB・JPEG

AF-Cでワイド/トラッキングを使い、連続撮影。AFの食いつきがよく、連続して撮影した5コマすべてに合焦している●XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR・140mm時・AE(絞りf4・1~2コマ目:2900分の1秒、3~5コマ目:2500分の1秒)・ISO400・AWB・JPEG
AF-Cでワイド/トラッキングを使い、連続撮影。AFの食いつきがよく、連続して撮影した5コマすべてに合焦している●XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR・140mm時・AE(絞りf4・1~2コマ目:2900分の1秒、3~5コマ目:2500分の1秒)・ISO400・AWB・JPEG

◆ 赤城耕一


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●マウント:FUJIFILM Xマウント●撮像素子:有効1630万画素。23.6×15.6mm。X-Trans CMOS IIセンサー●ファインダー:電子ビューファインダー0.39型。有機EL約236万ドット。倍率:0.62倍(35mm判換算50mm・∞・−1dpt)。視度補正:−4~+2dpt●モニター:3.0型チルト式TFT約92万ドット●シャッター:電磁制御式縦走りフォーカルプレーンシャッター、電子シャッター。1/4000~30秒。電子シャッター時:1/3万2000~1秒。X接点:1/180秒●撮像感度:オート、ISO200~6400。拡張でISO100、ISO5万1200可●内蔵ストロボ:手動ポップアップ式。
ガイドナンバー:約5(ISO100・m)●連続撮影:最高約8.0コマ/秒●無線通信:IEEE802.11b/g/n●記録媒体:SDメモリーカード(SDHC/SDXC、UHS-I対応)●大きさ・重さ:118.4×82.8×40.8mm・約381g(バッテリーとメモリーカードを含む)、約331g(本体のみ)●価格:オープン(実売9万6660円)