MCI(軽度認知障害)『時計描画』テスト

認知症グレーゾーンでも、かなり認知症に近い人は、目(視覚)から入った情報を処理し、空間全体のイメージをつかむ機能(視空間認知能力)が大幅に低下しています。
時計の輪郭を丸く描けなかったり、1から12の数字を均等に描けなくなったりする時計の輪郭を丸く描けなかったり、1から12の数字を均等に描けなくなったりするのが特徴です。こうした傾向が見られたら、必ず専門医を受診してください。
軽度認知障害『チューリップ、キツネ、ハトの回転』テスト


このとき、どちらかのキツネが自分のほうを向き、もう片方のキツネは外側を向いている「逆さギツネ」になっているはずです。
しかし、頭頂葉の機能が衰えてくると、手を回転できずに、キツネが両方とも自分のほう、もしくは外側を向いてしまうことが非常に多いのです。


健常な脳の人にはとても簡単に思えますが、このハトのテストも、認知機能が衰えてくると、2.の手のひらを返すことができません。
ハトの形がつくれたとしても、手のひらが外側を向いてしまっていることが非常によく見られます。
『チューリップ、キツネ、ハトの回転』テストでは、脳の頭頂葉の働きを確認することができます。
頭頂葉は空間認識や、物の形や動きの認知をつかさどるため、ここの機能が衰えると、道に迷ったり、リモコンの操作ができなくなったり、服をうまく着られなくなったり(着衣失行)します。一つ前に紹介した、時計が描けなくなる例もその一つです。
MCI(軽度認知障害)なら健康な脳に戻れることも
認知症グレーゾーン(MCI:軽度認知障害)の状態で適切に対処をすれば、認知症の発症を遅らせることができます。
さらには、健康な脳にUターンして戻ってこられる可能性も十分にあるのです。
認知症は、発症する原因によって「アルツハイマー型認知症」「脳血管性認知症」「レビー小体型認知症」「前頭側頭型認知症」の4種類に主に分けられますが、どの場合でも、放置しておく歳月が長くなるほどUターン(回復)が難しくなります。
どうか、その「ちょっとおかしい」という直感を大切にしてください。
もしそれが、認知症グレーゾーン(MCI)のサインだとすれば、認知症へ進む前にUターンして戻ってこられる最後のチャンスかもしれないのです。