「認知症かも?」と思ったら、自分でチェックをしてみましょう。家族がチェックするのもおすすめです。認知症専門医・朝田隆(あさだ たかし)さんの著書『認知症グレーゾーンからUターンした人がやっていること』(アスコム刊)から、専門医が考えた認知症のチェックリストを紹介します。
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認知症は60歳くらいから始まる
80歳で認知症になる人は60歳から脳の病的変化が始まります。その後、認知機能は20年間という長い歳月をかけて衰えていきます。この記事では、認知症のチェックリストを『認知症の入り口』から『MCI(軽度認知障害)』と段階別に紹介します。
『認知症の入り口』チェックリスト
認知症では一般的に、「記憶の低下」ばかりが注目されますが、じつはその入り口は、意欲の低下です。
記憶より先に『意欲』が落ちるということは意外と知られていません。そして、その最初のサインが『めんどうくさい』。
記憶は、脳の側頭葉にある海馬(かいば)という部分がつかさどっています。
認知症グレーゾーン(MCI:軽度認知障害)になると、この海馬の機能が衰えてくるのですが、じつはその前に、前頭葉の機能が落ちてくることがあります。
前頭葉はおでこの内側に位置し、意欲を生み出す、いわば「脳の司令塔」。
この前頭葉の機能の衰えが、「意欲の低下」となって表れると考えられます。
つまり、ここが認知症グレーゾーンの入り口です。
その最初のサインである「めんどうくさい」という言葉が頻繁に口をつくようになり、上記チェックリストの兆候が見られたら要注意です。
そして、この時期を見過ごすと、下記チェックリストのような、記憶の低下や、感情に関するトラブルが目立ち始めます。