がんと告知され、「頭が真っ白になって先生の話が入ってこない」「どうすればいいかわからない」と、混乱し不安を抱く人は多いでしょう。できるだけ冷静に、これから始まるがんの治療について考えるためには、自分がどのようながんで、どのぐらい進行しているか、どんな治療の選択肢があるかを正しく知ることが大切です。そのために、まず必要なのが、医師の話をしっかり理解すること。本企画では、がんと診断された人が知っておくと役に立つキーワードについて、医師に解説してもらいました。全4回の4回目です。
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今回解説するキーワードは、「臨床試験/治験」「分子標的薬/免疫チェックポイント阻害薬」「術前・術後化学療法」です。
キーワード【臨床試験/治験】
臨床試験とは、新しい治療法の効果や安全性を確認するために、人に対しておこなう試験のこと。治験は臨床試験の一種で、主に製薬企業などが薬や医療機器を最終的に製造・販売するために厚生労働省の承認を得ることを目的としておこなうものをいう。
臨床試験は、薬や放射線による治療、手術など、新たな治療法について、効果や安全性を確認するためにおこなう研究であり、治験はその中でも、薬や医療機器について、次の開発につなげること、そして最終的に厚生労働省の承認を得ることを目的におこなうもので、さまざまな段階があります。治験には、製薬会社などの企業の依頼でおこなうもの、医師が主導でおこなうものなどがあります。
臨床試験や治験について知りたい場合、「がん情報サービス がんの臨床試験を探す」(https://ganjoho.jp/public/dia_tre/clinical_trial/search2.html)で、国内でおこなわれている臨床試験の情報を検索することができます。また、製薬会社のホームページなどで情報を公開しているところもあります。