撮影/小山幸佑

【「1948年以来、飢えと貧困、殺戮と破壊に苦しんできた私たちパレスチナ人は、布でできた家に住む困難に耐え、厳しい環境に適応し、時間の経過と共に今も苦しみ続けています。私たちは、いつか自分たちの家に戻れることを願うばかりです。私たちは平和で安全に暮らすことを愛する民族です。私たちはすべての人を愛しています」】

撮影/小山幸佑

 イスラ・サラメさんの兄は、テロリスト排除を目的に侵攻してきたイスラエル軍に抵抗した際に撃たれ亡くなった。自分にも腹部に銃で撃たれた痕がある、と話す。現在は夫と3人の子どもたちと共に難民キャンプに暮らしている。パレスチナの難民キャンプは、設立からすでに70年余りの長い年月が経過しており、そこにもうテントはなく、コンクリートでできた家が立ち並び普通の住宅街の様相を呈している。イスラさんの祖父は、難民になる前はエルサレムに住んでいたそうだ。そのかつての家の鍵は、今も大切にしまってあるという。

(フリーフォトグラファー・小山幸佑)

AERA 2023年12月4日号

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