この法律は「1979年以前の台湾との条約、協定を維持、台湾を外国の国家、政府と同等に扱う」など、アメリカ政府の対中関係を困難にする条項が多い。ただ、武器の輸出、供与については、「防御的な兵器を台湾に供給する」と防衛用だけに制限し、「アメリカは台湾人民を脅かすことに対抗し得る防衛力を維持する」にとどめ、その防衛力を行使して台湾を守ることを義務化することを避けている。同様に、日米安保条約でも、日本への攻撃があった場合は「自国の憲法上の規定、手続きに従って行動する」として、アメリカの判断によることができる。

 アメリカ政府は今日まで何度も「一つの中国」政策と台湾の「現状維持」を唱え、「台湾防衛の義務はない」と表明、台湾独立支援に積極的ではないが、議会には反中国の強硬派で台湾独立を煽る議員もいるし、中国側はそれに対抗する姿勢を示すから、中国の巨大化につれ米中関係は険悪になりつつある。

 日本が条約で認めたように台湾が中国領であり、北京の「中華人民共和国」が中国の唯一の合法政府であるとすれば、台湾に残っている「中華民国」は蒋介石政府の残党の反政府集団ということになる。それが分離独立を求めて蜂起すれば内乱であり、政府軍がそれを鎮定するのは合法だ。

「日中平和友好条約」がある以上、仮にアメリカが台湾独立を目指して中国と戦争になった場合、日本がアメリカに協力して戦うことは「日中平和友好条約」違反で、「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」と定めている日本国憲法98条第2項にも反する。

 また、「国連憲章」は国連加盟国に対して、第51条により武力攻撃が発生した場合の一時的自衛権行使か、第42条により国連安全保障理事会が必要と認めた場合にしか武力行使を許していない。

 台湾の「中華民国」は国連加盟国ではなく、日本は台湾を中国の一部であると認めているから、それを分離独立させようとして介入、武力行使をするのは、国際法違反で、まさに今日のロシアがウクライナに対して行っているのと同様の侵略行為だ。

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