シーズンもオフに入り、11月25日に神宮球場で開催された「ファン感謝DAY2023」。トークイベントで舞台に上がった山田は、詰めかけたファンの前で今季を振り返るとともに、来季に向けての決意をそう言葉にした。このオフのテーマは下半身強化。大松コーチが言う。

「あれだけの選手ですし、たとえば(相手バッテリーとの)駆け引きだったり、そういうところは持ってるんですけど(打席の中で)こうやって打とうとか思っても、とんでもない空振りをすることがあるじゃないですか。あれもやっぱり足で粘れてないから起きるわけです。だから基本的にまずは出力を出せる下半身をつくっておいて、それを1年間通して持たせることができるかどうかが、一番大事かなと思います。それは本人にも伝えてありますし、このオフもよく走ってましたからね。あれを継続してできれば(復活は)間違いないです」

 2020年にFA権を取得した山田は、そのオフにチームと出来高も含めて総額40億円規模の7年契約を結ぶとともに、自ら志願してキャプテンに就任した。既に4年目のキャプテン続投を本人に伝えたという髙津監督も山田の復活、そしてその“存在”にも期待を寄せる。

「今まですごいことをやってきたのは確かなことなので、もう1回そこを目指して、トライして頑張ってほしいなと思いますね。キャプテンとしてここ数年やってますけど、(表立った)キャプテンシーがあるかどうかっていうのは別として、しっかりとチームをまとめて引っ張ってくれている大きな存在だと思っています」

 来季の逆襲に向け、ヤクルトの課題はいくつもある。なかでも重要なのは、今季は両リーグワーストのチーム防御率3.66に終わった投手陣の整備だろう。そのピッチャーたちの背中を、ヤクルト一筋14年目のシーズンを迎えるキャプテンのバットで、グラブで、力強く後押ししてほしいーー。そう願っているファンは、決して少なくないはずだ。(文・菊田康彦)

●プロフィール
菊田康彦
1966年生まれ。静岡県出身。大学卒業後、地方公務員、英会話講師などを経てフリーライターに転身。2004~08年『スカパーMLBライブ』、16~17年『スポナビライブMLB』出演。プロ野球は10年からヤクルトの取材を続けている。

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