セ・リーグ3連覇の夢破れ、Bクラスの5位に終わった今シーズンのヤクルト。2020年から指揮を執る髙津臣吾監督の下で2021年に日本シリーズ制覇、2022年はリーグ連覇を成し遂げ、今年も前評判は決して悪くなかった。
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実際、球団新記録の開幕5連勝を飾るなど、出足は申し分なかった。ところが4月22日からの7連敗で首位からBクラスに転落すると、5月16日からは引き分けを挟んで12連敗。その後はAクラス浮上ならず、10月4日のシーズン最終戦で逆転サヨナラ勝ちを収めて最下位を免れるのが精いっぱいだった。
「やっぱり勝負の世界で生きている人間なので、勝てなかったっていうところは悔しく思います。無理だとは思いますけども、毎年、毎試合、全試合勝ちたいと思ってグラウンドに立っているので、それが達成できなかったのでやっぱり悔しく思いますね」
シーズン終了から50日あまりが経ち、ヤクルトの髙津臣吾監督はそう心境を吐露する。開幕前は、優勝を狙う上での前提条件として「(選手が)みんなが揃って、健康体でグラウンドに立って戦うというところが一歩目」と語っていたが、今季は選手のコンディション不良が相次ぎ、ベストメンバーで戦うこともままならなかった。
主力の野手でいえば、主にリードオフマンとして連覇の立役者の1人となった塩見泰隆が、今季は出場わずか51試合(うちスタメン46試合)。2019年プレミア12、2021年東京五輪に続き、今春のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも侍ジャパンの一員として世界一の美酒を味わった山田哲人も、シーズンでは2度にわたって戦列を離れるなど3年ぶりに規定打席を逃した。
特に山田は105試合の出場で打率.231、14本塁打、40打点、4盗塁、出塁率.306という成績で、打率と出塁率は自己ワースト。日本プロ野球史上で唯一、打率3割・30本塁打・30盗塁のトリプルスリーを3度達成し、入団以来3度の優勝にも三番バッターとして貢献してきた選手だけに、どうしても寂しい数字に見えてしまう。