大阪・履正社高からドラフト1位で2011年にヤクルトに入団し、2015年には23歳の若さでリーグMVPに輝いた山田も、はや31歳。このまま年齢とともに衰えていってしまうのか? いや、復活の余地は十分にあると言うのは、来季から打撃部門のチーフとなる大松尚逸打撃コーチだ。
「年齢的なものも当然あるとは思うんですけど、彼の場合はやっぱり(下半身の)ケガが多いのでね。野球って(打者は)バットを扱うスポーツで、最終的にはそこの技術になるんですけど、でもやっぱり下半身がめちゃくちゃ重要なんです。要は下半身がいかに力を出せる状態にあるかどうかなんですよ。山田の場合はケガもあって、そこ(出力)が圧倒的に低いというところだったんですね」
WBCではメキシコとの準決勝で2安打を放ち、アメリカとの決勝戦で2盗塁を決めた山田は、3月31日のシーズン開幕戦(対広島、神宮)でも2安打、2盗塁。4月2日の同カードでは3回に同点の2ラン本塁打、5回には四球で出塁して二塁盗塁と、コンディションも全く問題はなさそうだった。
だが、4月12日のDeNA戦(神宮)の4回にサードゴロに倒れると次の守備から交代し、下半身のコンディション不良で翌日には登録抹消。4月28日に復帰して5月は月間打率.295、4本塁打をマークするも、7月2日の広島戦(神宮)で再び下半身を痛め、翌3日に今季2度目の抹消となった。
8月1日に一軍に戻り、8日の広島戦(神宮)で決勝のタイムリー二塁打を放つと、13日の阪神戦(京セラドーム)では球団記録に並ぶ10年連続2ケタ本塁打を達成。その後は時にスタメンを外れながらも戦列を離れることはなく、10月4日の阪神戦(神宮)では9回裏、1死一、三塁から犠牲フライで走者をかえし、最後にサヨナラ勝ちをもたらした。
「(シーズンの)最初から打っとけよって話ですよね(苦笑)。個人的にはケガもしましたし、そんなに成績も良くなかったので、非常に悔しい思いをしています。今年の悔しさを忘れることなく、しっかりこのシーズンオフを過ごして、来年はいい結果を報告できるように、しっかりチームの先頭に立って頑張りたいと思います」