リニューアルオープンを迎えた皇居・東御苑にある「皇居三の丸尚蔵館」。ここでは、皇室の国宝の品を公開する開館記念展と、天皇陛下のご即位5年と天皇、皇后両陛下のご結婚30年を記念した特別展示が開催されている。11月3日から始まった特別展は26日で前期が終了。11月28日から12月24日にかけて展示される後期のチケットは、11月24日より発売される。
【雅子さま「純白のドレス」がまぶしい】パレードを終え、新居となる東宮御所に着いたおふたり
後期の展示で注目を集めると予想されるのは、ご成婚の祝賀パレードで雅子さまが身を包んだ純白のローブ・デコルテだろう。おふたりのご結婚、そして長女、愛子さまの誕生と成長。一つ一つの品から、ご一家が歩んだ道のりと思い出が伝わってくる。
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1993年6月9日。朝から降っていた雨はやみ、薄日が差した。午後4時45分、おふたりを乗せた黒塗りのオープンカーが皇居を出発し、ご結婚の祝賀パレードが始まった。「徳仁皇太子」の隣で手を振るのは、純白のローブ・デコルテに身を包んだ「皇太子妃」雅子さまだ。頭上にはティアラが輝く。沿道は19万人の人びとで埋め尽くされ、NHKと民放各社が中継したパレードの視聴率は、関東地区でおよそ80%を記録した。
皇居三の丸尚蔵館では、11月28日から12月24日まで特別展の後期展示が始まる。注目の品のひとつが、雅子さまが「朝見の儀」と祝賀パレードで着用したローブ・デコルテだ。雅子さまは、ご結婚の一連の行事や儀式で何着ものドレスに身を包んだが、これは特別な品の一つだ。一般の結納にあたる「納采の儀」で、皇太子さま(現・天皇陛下)から贈られた生地で仕立てられたドレスである。
ドレスをデザインしたのは、デザイナーの故・森英恵さんだ。祝賀パレードで羽織った上着の襟元には、バラの花びらをアレンジした飾りが華やかに添えられている。
駐日大使からご結婚のお祝い品として献上された「宝石の木」も見ごたえのある品だ。ラピスラズリとトルコ石の台座に金版で世界地図が描かれている。台座に立つ大樹の枝には、アメジストやシトリンなど貴石が実のように垂れ下がっている。
前期後期で一部展示品の入れ替えはあるものの、全期間を通じて、天皇ご一家の思い出の品を見ることができるのだ。
もちろん、ご一家も特別展に足を運んでいる。