最近は選手たちが気持ちよくプレーできる環境を与えることが良しとされているが、イチロー氏の言うように時には厳しく選手に接することも成長を促すうえで重要だ。もちろんアマチュアとプロでは違う部分も多いが、今の指導者はどの程度の“厳しさ”を持って選手に接するかというのが難しくもある。小久保監督も自身がプレーした時代とは違った環境で育った選手へのアプローチが成功へのカギにもなりそうだ。

「最終的に結果を出すのは選手自身。練習しなければ上達せず取り残される。秋季キャンプではデータで現状を把握させ、この先をどうすべきかは選手に任せた。一歩間違えば怖い方法だが小久保監督の覚悟も感じる」(ソフトバンク関係者)

 小久保監督は大学時代に日本代表としてプレーし、バルセロナ五輪ではチームの銅メダル獲得に貢献。翌1993年のドラフト2位でダイエーに入団した。プロ入り後は巨人に所属した2004年からの3シーズンを除いては、ダイエー、ソフトバンクでプレーし、通算413本塁打をマークするなど、球界屈指の長距離砲として活躍した。

 引退後は2013年から常設化された侍ジャパンの監督を務め、2017年のWBCでもチームを指揮。その後は2021年から古巣に戻り一軍ヘッドコーチ、2022年からは二軍監督と、着実に指導者の道を歩んできた。

「『一瞬に生きる』を大事にして朝から晩まで野球に打ち込んだ。二軍監督時代は自ら打撃投手を務めての熱い指導が日常。今までを考えれば今秋キャンプの変化は本人も我慢と努力をしているはず」(小久保監督をアマチュア時代から知るスポーツライター)

 野球界も世代交代が進み厳しい指導方針のみでは選手がついてこなくなった。時代に即した方法でチームを好転させようとしているのだろうが時間は待ってくれない現実もある。

「ソフトバンクは毎年、大型補強を繰り返しながら3年間優勝から遠ざかっている。今オフも積極的に動いており、小久保監督には1年目から優勝、日本一のノルマが課されているはず。就任時からかなりのプレッシャーだろう」(ソフトバンク担当記者)

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