たしかに、現代では多くの人がスマホを持ち、日常的に使っている。何をするにも写真撮影は日常の一コマで、その写真をシェアする時代だ。
優良な信頼できる情報を流せば
こうしたことから、河西准教授は宮内庁も「SNSの活用に前向きになればいいのでは」と言う。
「宮内庁に広報室ができて、まだホームページが詳しくなった程度です。もう少し工夫をしてもいいのではと思ってしまうほどの変化です。
SNSも検討するようなことも発表していましたが、まだ始めていない。SNSで発信して、それが悪用されることを心配されているのかもしれないですが、悪用しようと思えば、SNSに限らず、他にもいくらでもやれるわけです。
そうした心配をするよりも。これは持論ですが、悪い話や悪い情報が流れてくるより、優良な信頼できる情報がたくさん流れてくれば、みんなそちらを見て、悪いものは適当に流すようになると考えています。宮内庁もきちんとしたいい情報を流すようしていけばいいのだと思います」
佳子さまの映像がTikTokに出たことは、多くの人に皇室への関心を持ってもらえるきっかけになるかもしれないと、河西准教授は指摘する。
「ホームページの情報は自分から取りに行かなければなりませんが、SNSで発信された情報は流れてくる。普段、皇室のことに関心がない人たちにも届く可能性があるということだと思います」
現代において、SNSはホームページより雄弁なのかもしれない。現に佳子さまの自然な笑顔は、全世界の人々に届いた。その効果はきっと大きい。(AERA dot.編集部・太田裕子)