私「ウマ?」

写「木馬があるんですけど、跨ってポーズをとって撮れるんですよ」

 次男にはまだ聞こえてない様子だ。

私「馬……馬ねえ……馬はさすがに」

写「すいません。別料金です」

私「おいくら?」

 2000円くらいだったか。

写「2000円です」

私「ま、それくらいなら……」

 と言い終わらないうちに、トイレから戻った次男が「あそこに、馬がいたよー! あれ乗れるのっ!? 乗りたいんだけどっ!! ていうか、乗るっ!!」。

 2000円なら出そうかと思ったが、なんかイラッとした。写真屋め、子どもがわかる位置にわざと出しといたんじゃねえかな。

 鎧兜だけじゃなんなんで、着物も借りて2パターン撮ることにした。まずは着物。きょうだいで撮って、家族で撮ってこれはスムーズに終わった。

 いよいよ鎧兜の着用の儀である。次男の顔つきが変わった。5歳にして鎧を着けるということの意味を肌身で感じているのだろうか。完全に無の表情でされるがままに鎧を着せられる次男。兜を着けられ、刀を持って直立不動でこちらを見ている。

 笑った。仙台のご当地キューピーちゃんのようだ。4頭身の5歳児が鎧兜を身にまとうとこんなに可笑しいものなのか。ソーキュート! 途端に次男が刀を抜いた。ヤバい、切られる! ……いや、刀を抜いて切先をジーッと見つめている。ニヤリと笑みを浮かべると、また鞘に収めた。どうやら完全に独眼竜スイッチが入ったようだ。

 まずは馬に跨り(本当は抱き上げられ跨らせてもらい)刀をふるっての撮影。いい顔をしている。

 次に陣羽織に、兜を烏帽子に替えて、手には采配を握っての撮影。ちょっと待て。知らないうちにオプションが増えてる! 聞いてないぞ……でもなかなかの面構え。今回は大目にみるか。

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