「貯蓄から投資へ」と叫ばれるようになって久しいが、いまも、財布の中に現金をいくらか入れて残りは銀行口座に置いておく、という人が日本では少なくない。なぜ、財布に入れておいたり、銀行口座に置いておいたりするだけではダメなのか。ファイナンシャルプランナーで子どもの環境・経済教育研究室代表を務める泉美智子氏が監修した、生活経済ジャーナリスト・坂本綾子氏の著書『【改訂新版】節約・貯蓄・投資の前に 今さら聞けない お金の超基本』が、この素朴な疑問に答えている。
財布に現金を入れておいても、お金はまったく増えない。銀行口座に預けても、いまは金利が低いためほとんど増えない。一方、増やすことが目的の「投資」では、リスクはあるものの、預金よりもお金が増える可能性がある。お金の増え方は、置き場所で変わるのだ。
人生100年時代、時間をかけてお金を増やすための方法が「投資」だ。
ただ、お金が増える可能性がある半面、減ることもあるのが投資。だから、緊急時の予備資金はすでに貯まっていることが前提で、毎月の収支がギリギリで貯蓄がない!という人にはおすすめできない。投資にまわしていいのは、余裕資金や時間をかけて貯めながら増やしていきたい老後資金。まわしてはいけないのは、日常生活のための資金や、入院などの突発的な出費に備えるためのお金。子どものための教育資金や住宅購入の頭金などは、そのお金が必要になるタイミングを見極めて、判断したい。
投資とひと口にいっても、種類によってリスクが異なるし、「自分のお金が1円でも減るのは耐えられない」「5%くらいの値下がりなら元に戻るまで待てる」など、値動きへの感覚は人それぞれ。お金を増やす目的と、投資先のリスクが自分の性格に合っているかは事前に確認したい。冒頭のYesNoチャート「自分に合った投資先を選ぶ」も活用してほしい。
リスクを軽減するための方法は3つある。