1970年に初代トミカの1台として登場した「コロナ マークⅡ ハードトップ」の白、黄と、翌年に登場したツートン仕様(写真/森永卓郎)

 隔週刊「トミカ歴代名車COLLECTION」は、タカラトミーが厳選した歴代名車を、その詳細を解説したマガジンとともにお届けするシリーズ。スポーツカーからはたらく車まで、毎号付いてくるトミカはオリジナルデザインで、これを集めると、唯一無二のトミカ・コレクションが完成する。

【動画】13号に収録の「コロナ マークⅡ」はこちら

 2週間に一度の発売日には、マガジン巻末に収録されるリレーコラム「My car, My mini car」をAERAdot.にも配信。「コロナ マークⅡ」を取り上げた11月14日発売の13号のコラムは、経済アナリスト・森永卓郎による「コロナ マークⅡへの思い」だ。

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 コロナ マークⅡは、高度経済成長ど真ん中の1968(昭和43)年に登場した。コロナとクラウンの中間グレード、日産のローレルに対抗する車を出そうというのが、当時のトヨタの狙いだったと言われている。

 その狙いはズバリと当たった。コロナよりもゆったりとしたボディと力強いエンジン、そしてスタイリッシュなデザインは、消費者の圧倒的な支持を受けた。そのため「マークⅡ」という名前はその後も受け継がれ、9代目の2004(平成16)年まで続いた。

 初代コロナ マークⅡは、4ドアセダン、2ドアハードトップ、ピックアップトラック、バン、ワゴンの5車種がリリースされたが、トミカは最もスタイリッシュだった2ドアハードトップをモデル化している。1970(昭和45)年、最初に登場した初期6車種のなかの1台で、2番の品番が与えられた。

 トミカの発売時には、赤、黄、白の3色が同時リリースされた。3色のなかで、赤色のモデルだけが、途中でボディ上部をマットブラックで塗装したツートンカラーに変更された。このツートンカラーのモデルが、その後も生き残って、販売が継続された。発売当初の3色のモデルは、その後、40周年記念復刻モデルとしてリリースされている。

 トミカのコロナ マークⅡには、最初期の輸出モデルとして、初期の赤一色のボディに後期型の銀色のホイールを付けたものが知られている。ただ、初期のコロナ マークⅡは、裏板がハメ込み方式だったので、技術力のある人の手にかかると、再塗装やホイールの入れ替えができてしまう。そのため、ボクは今のところ、輸出用モデルに関しては、これが本物だという確信が持てなくて、未入手になっている。

 コロナ マークⅡは、人気車種だけに、いまだに新しいバリエーションが作り続けられている。そのなかにはイメージを一新するような素晴らしいモデルも多い。

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