浜田の力強くスマートな進行と、松本の百発百中のボケの精度。その両方を備えているダウンタウンだからこそ、生放送並みの無駄のない収録が成立しているのだ。
いわば、『ダウンタウンDX』の収録は客前で行われるライブなのだ。番組を作るために収録が行われているというよりも、ライブを撮影してそれを番組にしている。その点こそが、ほかのトークバラエティ番組と一線を画すところだ。
ダウンタウンは板の上でキャリアを積んできた芸人であり、テレビのスターとなった今もその本質は変わっていない。そして、テレビの中で「舞台のダウンタウン」を最もダイレクトに味わえるのが『ダウンタウンDX』という番組なのだ。今後もできるだけ長く続くことを期待している。（お笑い評論家・ラリー遠田）
ラリー遠田
ラリー遠田（らりー・とおだ）／作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』（白泉社）の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』（ディスカヴァー携書）、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり＜ポスト平成＞のテレビバラエティ論』 （イースト新書）、『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』（光文社新書）など著書多数。近著は『松本人志とお笑いとテレビ』（中央公論新社）。http://owa-writer.com/
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