今はどうなっているのかわからないが、当時は舞台と観客席との間に大きな幕が張られていて、収録が始まるまでは観覧客は舞台の様子を見られないようになっていた。そして、幕が開くとカメラが回り、すぐに収録が始まる。舞台上にはダウンタウンの2人とゲストのタレントたちが並んでいる。そして、テレビで見ていたような流れでスムーズにトークが進んでいった。
一般的な番組収録では、時としてやや間延びしたような空気になることもある。とりあえず長時間カメラを回しておいて、あとから編集して面白いところだけを使えばいい、と考えられているからだ。
独特の緊張感
しかし、『ダウンタウンDX』の収録では、そのような緊張感の抜けた瞬間が全くなかった。浜田はテンポよく番組を進めていき、スタッフも規律正しく動いていた。生で収録現場を見ているのに、編集されたテレビ番組を見ているようだった。
ダウンタウンの番組には独特の緊張感がある、というのは番組に携わるスタッフや出演者が一様に口にするところだ。『ダウンタウンDX』の現場ではそれを肌で感じた。
浜田はスタジオにダラダラした空気が流れることを好まず、収録番組であってもほとんど時間を余らせずに生放送のように進行すると言われているが、まさにその噂通りだった。