夫は営業職で、営業成績により収入が大きく上下するため、結婚当初は戸惑った。収入が少ない月は赤字になってしまうこともあるが、夫は給与を把握しているため、収入が多い月は外食やレジャーなどにお金を使いたがるのがやっかいだ。「頑張って稼いだのだから、楽しいことにもお金を使えないと、次のやる気が出ない」と主張する夫と、「収入が少ない月のために多い月の分を取っておきたい」と考える妻――。
そこで妻は、結婚後、最も収入が少なかった月の家計簿を確認し、基本的な生活費をその金額でまかなえるよう家計を見直した。保険や携帯電話のプラン、食費……。以前は頻繁に購入していた子どもの衣類や雑貨も安く抑えることを心掛け、生活費の予算を守ることを徹底した。収入が生活費を上回った月は、貯蓄、夫のこづかい、家族でのレジャー費に3等分することにして、夫にもそれを伝えた。
生活費の予算をしっかり守れば、余剰金は将来への貯蓄と楽しみに使うことができる。レジャーに使える金額も毎月はっきりするし、収入が増えれば連動してこづかいも増えるところは、夫の励みになっているようだ。妻は毎月、給与明細をもとに、貯蓄額、夫のこづかい、家族でのレジャー費を夫に伝え、一緒にレジャーの計画を立てている。夫婦でお金の話をするのが楽しくなったという。
(構成 生活・文化編集部 上原千穂)