10月2日に行われたジャニーズ事務所の2回目の記者会見(撮影/写真映像部・松永卓也)

「エージェント契約」には弁護士を入れて交渉を

たかまつ:私は「エージェント契約」が気になって、それで人権を守れるのか注目したいと思いました。これまで芸能事務所が明らかに強い力を持っていて、辞めると事務所から圧力をかけられたりしてきた中で、エージェント契約とはどういう契約書になるのか。結局これまでと変わらない契約書なのか、気をつけなければいけないと思います。

佐藤:エージェント契約については、確かに記者会見では全くこの内容が明らかにされませんでした。エージェント契約をすれば、芸能人の権利・人権は守られるのかというと、契約内容次第です。タレント側は、タレントの権利関係について詳しい弁護士を入れた上で交渉していかないと、また一方的に不利益な立場や不利な契約内容になる可能性があります。

たかまつ:そうですね。私はこれが、事務所側が強いところを解消する1つの方法になればいいと期待しています。例えば、辞めたあとも干されてしまう問題などがありますが、それが契約書によって守られるようになってほしいです。

たかまつ:さて続いては、「ジャニーズ問題の本質とは何か」を取り上げたいです。今回、ジャニー喜多川氏には、社長という立場と芸能界における絶対的な権力が背景にありました。私は「メディアの加害性」が本質だと思います。私自身も大学生のころ、所属していた大きな事務所を辞めて独立したことがあります。幸い干されることはなかったんですけど、当時、メディア側の忖度はものすごくあったんですね。私がテレビ番組に出る際に「たかまつさんって使っていいんでしたっけ」と、前の芸能事務所に必ず電話がいくんです。私の場合は、それでテレビに出られなくなることはなかったんですけど、メディア側もジャニーズ事務所や芸能事務所に対して忖度とか圧力をかけているところはあるんじゃないかなと思います。

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ジャニーズはとかげの尻尾切り