イラスト:サヲリブラウン

 来てくれて嬉しい気持ち、ありがたい気持ち、どうやって参加したんだと戸惑う気持ち、毎日忙しいのにあんたなにやってんだと呆れる気持ち、なにより、誰にも気づかれなかった驚き。いろんな気持ちがないまぜになった私に、堀井さんは言い放ちました。「あなたなら絶対気づかれちゃうわよね!」。悔しい!

 だから私もチャレンジしたんです。今後は私の登場を警戒するだろうから、絶対に来ないと思われるところに行かなくてはならない。お、堀井さん近々函館で朗読会を行うじゃない。よし、行こう。

 京都から合流する女友達に事情を話すと、彼女も函館に同行してくれると言う。いやあ、ありがたい。強行スケジュールは必至だったので、ひとりでは不安でもあったから。

 旅程はこう。日曜日の朝6時42分のバスで京都から伊丹空港へ。函館への直行便だと朗読会に間に合わないので、8時半の飛行機でいったん札幌へ。乗り継いで函館到着が11時35分。朗読会は13時から。よし、間に合う!

 旅の続きは次号。それまでポッドキャストで堀井さんが豊橋に現れた「OVER THE SUN」エピソード158を聴いて待ってて!

AERA 2023年11月6日号

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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