訳あってあえて無茶をやってみた(イラスト:サヲリブラウン)
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 作詞家、ラジオパーソナリティー、コラムニストとして活躍するジェーン・スーさんによるAERA連載「ジェーン・スーの先日、お目に掛かりまして」をお届けします。

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 50歳を過ぎ、無理はしても無茶はしないようになりました。しかし、訳あって久しぶりにやっちゃった!

 私が敢行した無茶は、週末弾丸ツアー。もとは大阪での仕事の翌日、京都へ少し足を延ばす程度の予定でした。

 しかし思うところあり、私は京都から函館へと足をグイングイン延ばしました。京都の宿は予約済み。月曜日にはラジオがある。よって、函館で延泊は不可能。つまり、日曜日の朝に京都から函館へ飛び、その日のうちに東京へ戻るスケジュール。土曜日から考えれば、東京→大阪→京都→函館の大移動!

 そんな無茶をする気になったのは、フリーアナウンサー堀井美香さんとやっているポッドキャスト番組「OVER THE SUN」のせい。いや、堀井美香のせい。

 ある日の番組収録中、堀井さんがおもむろに愛知県豊橋市のお土産を机の上に出し、私は目の玉が飛び出そうになりました。だって、私も豊橋に行ったばかりだったから。詳しく聞けば、豊橋で行った私の講演会に、こっそり参加していたというではありませんか。観客の多くが番組リスナーのなか、ほとんどの人に気づかれずに。

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ジェーン・スー

ジェーン・スー

(コラムニスト・ラジオパーソナリティ) 1973年東京生まれの日本人。 2021年に『生きるとか死ぬとか父親とか』が、テレビ東京系列で連続ドラマ化され話題に(主演:吉田羊・國村隼/脚本:井土紀州)。 2023年8月現在、毎日新聞やAERA、婦人公論などで数多くの連載を持つ。

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