周囲の状況を判断したうえで、立場にふさわしい振る舞いができるのは、愛子さまも同じだ。長年、パリコレの取材を続けたファッション評論家の石原裕子さんは、愛子さまの服装がヒントになると考えている。
誕生日写真やご静養時の服装を見ると、愛子さまが決して身体のラインを出す服装をしていないことに、石原さんは気づいた。
「ワンピースはもちろん、ジャケットであってもウエストを絞るなど、身体のラインを出すデザインは選んでいらっしゃらない。 勉学を第一とする学生の本来の姿だと思います」
そして若さや可愛らしさを強調することはせず、年齢より大人びた服装が多い。コロナ禍がおさまっていなかったここ数年は、茶系やグレーといったおさえた色味を選んでいる。
私的な場面でもTPOに相応しい服装に撤している。
この夏、天皇ご一家はご静養で那須御用邸に滞在した。マスコミの取材が入る初日は、アパレルブランド「kay me」の6万8200円の落ち着いたワンピースを選んでいる。しかし、取材設定のない帰京時は、ファーストリテイリング傘下の低価格ブランド「GU(ジーユー)」の2450円の商品と見られるシンプルなワンピースを着用していた。
「ウエストをしぼらないデザインや社会の世情に沿った服装をお選びになる。こうした事柄を通じて感じるのは、愛子さまはお立場を『わきまえる』聡明さをお持ちということです。ご自分が好きな服装や行動をなさるのではない。世間が皇室、そして内親王に何を望んでいるのか——。それをよく理解なさっていると感じます」