「マイ健康法で肝心なのは、それぞれの季節をちゃんと味わうこと」稲垣えみ子

　元朝日新聞記者でアフロヘアーがトレードマークの稲垣えみ子さんが「AERA」で連載する「アフロ画報」をお届けします。50歳を過ぎ、思い切って早期退職。新たな生活へと飛び出した日々に起こる出来事から、人とのふれあい、思い出などをつづります。

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　最近、ご飯がやたら美味しい。米のメシをモリモリ食べ、茶碗いっぱいでは収まらずおかわりしたりしている。おかずも美味しい。先日は久しぶりにカボチャを煮た。愛用の無水鍋に大きめにカットしたカボチャを皮を下にして並べ、ちょっと酒と塩を振りぴっちり蓋をして弱火で炊く。水を入れないのはカボチャに自らの水分で柔らかくなって頂こうという算段である。で、柔らかくなったらクルリと醤油を回し入れて火を止め、蓋をしてしばし放置したら出来上がり。美味しそうなアメ色に釣られてパクりと味見したら、甘じょっぱくてねっとり濃厚な食感で驚きのうまさであった。簡単なので気が向いたら作ってね。糠漬けのきゅうりと小松菜の味噌汁を添えれば完璧な食卓のできあがり。やはりご飯をモリモリ食べる。

　この食欲は、どう考えても夏の反動であろう。今年の過酷すぎる夏は、てきめんにわが食欲に打撃を与えた。コメを食べる気になれず蕎麦とそうめんばかり食べていたら、何のダイエットもしていないのに数キロ痩せた。その分を取り戻しているのである。

　天高く馬肥ゆる秋。全くその通りと思う。今まさに「天高くアフロ肥ゆる秋」を迎えております。