実は山田氏はオタク界隈(かいわい)では知名度の高い政治家だ。マンガやアニメなどの表現規制に反対してきた人物で、2016年の参院選では新党改革から立候補し、29万票を獲得している。野党の全国比例候補者の中ではトップの得票数だったが、新党改革が議席を取れず、落選した。19年の参院選では自民党から出馬し、54万もの票を獲得し当選した。
オタクの期待を集める山田氏は今後どうなるのだろうか。元国会議員秘書で政治評論家の尾藤克之氏は、
「政務官の役職を降りて、この問題は終わりというのが岸田首相の考えでしょう。ただ、文春が買春の証拠を持っていたらアウトです」
と言う。
翔太郎氏の不祥事とは違う
もし性行為の対価として金銭を支払っていれば、それは売春防止法で定める違法行為となる。この点について山田氏は「事実ではない」として争う、としている。文春の記事によると、相手女性は詳細に語っているが、それが違うということだろうか。
尾藤氏はこう説明する。
「もし、金銭を支払っているようなことが事実としてあれば、議員辞職勧告決議案が国会に出されるような話です。国会議員としての資格はないでしょう。山田氏は比例代表なので選挙区は持っていません。もともとみんなの党や新党改革などの人間なので、生粋の自民党員というわけでもない。今後の事態の進展次第では、岸田首相は躊躇なく山田氏を切り捨てるでしょう。息子の翔太郎氏の不祥事とは違い、山田氏には何の感情もないでしょうから」
疑いを晴らしたい山田氏が正しいのか、文春の報道が正しいのか。事実は一つしかない。
(AERA dot.編集部・吉崎洋夫)