昭和26年暮れ、東京の下町で夫と金物屋を開いていた女性が、夫がばくちのカタに入手した吉原の家に移り住んだ。おきちこと、高麗きち。本書刊行時で94歳。あらゆる水商売を手がけ、「この商売はよ、人殺しを使えるようじゃなきゃやってらんねーんだよ」と喝破する。 著者はそんなおきちの元に通い、松の葉を水に漬けた特製ドリンクを飲んだりしながら、四方山話に耳を傾ける。昭和30年代、おきちのキャバレーでは、青…

続きを読む