就職活動で初めて出会った都会の大学生たちは、勉強もサークルも遊びも全て充実しているようで、キラキラと輝いて見えました。一方の私は、すっぴんで夜行バスに乗って上京し、到着した上野駅近くの漫画喫茶でメイクをしてから、スーツケースをゴロゴロひいて面接に向かう。「こんな私が東京に住めるのかな」と常に不安だったことをよく覚えています。
フジテレビ入社後、「覚悟があって強い」と言っていただくことがあります。それは、弘前大で過ごした4年間で自分の軸がきちんとできたからこそ。東京で暮らし始めてから、改めて弘前大の良さを実感しています。故郷ということもありますが、スマホの中のキャンパスの写真を見ては、恋しく思う場所であり、私の財産です。
(編集部・古田真梨子)
※AERA 2023年10月23日号