おりものの状態は、女性の健康状態を知る目安となるので、よく観察するようにしましょう (c)GettyImages
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 昔の中国では、産婦人科医は「帯下医」と呼ばれていました。帯下(たいげ)とは「おりもの」のこと。それほど、女性の健康状態を知るきっかけとしておりものが重視されていたのです。この記事では、日本の漢方のルーツである中国の伝統医学「中医学」をベースとして、おりものの状態からわかる健康状態と、その不調を解決するヒントを、3つのタイプ別にご紹介します。

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■ おりものの状態から、身体の不調をチェック

 おりものは女性特有の現象で、それ自体は病気によるものではありません。膣に雑菌が入るのを防ぎ、清潔に保つための分泌液で、中医学の古典にも「帯下(おりもの)は女子が生まれたときからあるもので、常に潤いがあり、病ではない」と記載されています。

 正常なおりものは無色透明で臭いも弱く量も少量。一般的に、生理前や排卵期、妊娠期にはやや多くなり、閉経後には減少します。おりものがこのような状態であれば、特に心配する必要はありません。

 しかし、量が増える、臭いがきつくなる、色を帯びている、かゆみがある、といった状態や、腰痛、腹痛などの症状を伴う場合は、「帯下病」と考え改善を心がることが大切です。不快なおりものは、身体のさまざまな不調によって発生する「湿邪(しつじゃ)」が原因。おりものの状態は、その不調を知る目安となるのでよく観察するようにしましょう。

 がまんできないほどでもなく、人にもなかなか相談しにくい。そんな理由から、日本では検査をせずに済ませる人が多いのが現状です。しかし、異常なおりものは、膣炎、子宮筋腫、排卵炎といった女性特有の病気を知らせるサインとなっていることも。気になる症状があれば、軽視せずに対処してください。

 病院で検査を受けても特に問題がないようであれば、体内の不調が原因と考え、根本的な体質改善を心がけましょう。

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